昨日アップした通りHELLOWEENのジャパンツアーを観に行ってギタリスト的に気になる事がありました。
HELLOWEEN PUMPKINS UNITED WORLD TOUR 2018 in JAPAN@ZeppTOKYOに行って来た
それは、ステージ上にギターアンプもキャビも置かれていないという事。ベースも同様でした。
これ先日coldrainの武道館公演を観に行った時も同様のステージセットになっていて最近はこのパターン結構多い感じなのかなと思って少し調べてみたらやはりここ10年前くらいからギターもラインでミキサーに直で出力する方法が増えてるみたいです。
元来ベースはアンプからの出音はステージモニター用で外音はDIからライン入力された物を使うと言う手法がわりとスタンダードでしたが、ギターはアンプ→マイク→ミキサーという形で音を拾うのが一般的でした。
これは特にロックギターの場合、アンプでドライブさせてキャビの箱鳴りまで含めて『らしい歪み』が得られるのであってライン入力してしまうとどうにも薄っぺらい音になってしまうので今まではなかなかライン入力をするギタリストはいなかったと思います。
しかし、ここ最近は『Axe-Fx』とか『kemper』あたりのデジタルモデリングアンプ・アンプシミュレーターが非常に強力で真空管アンプをドライブさせて云々としなくても、パッと聴きわからない位の音がデジタル技術で再現出来てしまうのです。これらの場合、キャビのシュミレートもかなり優秀なのでキャビやマイクなど余計な影響を受けないライン入力をした方がより狙った通りの音を出しやすいというのがあるんじゃないかと思います。
その他にも弦楽器隊のアンプをステージに置かないという事は通常のバンドだとドラムの除く全ての音がモニターから出力される事になり、イヤモニを使っている場合なんかは特に理想通りのモニターバランスを得やすかったり、機材を置かなくていい分ステージ演出の幅が広がるといったメリットがあるんじゃないかなと思います。
勿論昔ながらのマーシャルの壁を置いたりするのもステージ演出としてカッコいいものですし、自分の背面から音が出てないと気持ち良く演奏出来ないよなんてギタリストもいると思うのでこのあたりは好みの問題ですね。
※ちなみにHELLOWEENでは一部の曲で背面モニターにマーシャルの壁を映してました。そこまでデジタルで再現するかと思いつつ、これはこれでカッコよかった!
重いマーシャル運んでた腰の痛み・・・なんて某アーティストの歌詞の一節にもありますが、僕もその昔は重い真空管アンプにキャビ、7Uラックとプチ要塞みたいなセットを運んでいた時代がありました。おかげでライブ前にぎっくり腰になった事もあるし・・・
それを考えると、アンプもエフェクターもほぼ網羅されていて、音もいいデジタルモデリングアンプ1つあれば理想の音が出せてしまう状況になってきているというのはとてつもなく革新的な事だと思います。