はい!どうも。
初のTips.系記事なのですが、今回は僕がたまに使っているサビ途中での1音転調進行について紹介してみようかなと思います。
ラストのサビで半音上に転調したり、1音転調したりと言うのはよくあると思うのですが、今回紹介するのはそういう事ではなく1番のサビも2番のサビも全部途中で転調します。
イメージとしては8小節+8小節のようなパターンでコード進行やメロディを繰り返す事はよくあると思うのですが、この後半8小節を1音上へ転調させる訳です。
言葉で説明するより聴いて貰った方が早いと思うので、下記の曲を聴いてみてください。
この0:15〜、1音上のKeyに転調しています。
音楽をやっていない人だったりすると転調した事に気づかない位、自然と転調出来ているんじゃないかなと思います。
これがどんな作りになっているかというのを解説していきます。
実際のコード進行
KeyがCマイナーで10小節進行したあと、Dマイナーに転調しサビ後半に入るという形になってます。
ポイントは9小節目、10小節目でここがKey=Dmにおける、Ⅵ→Ⅶとなっている為、次のDm(Ⅰm)に向けてなめらかに転調しています。
更に細かくみると9小節目のB♭はCマイナーキーのⅦでもあるので、転調にむけてCマイナーキーから外れている音は10小節目Cの3度の音だけとなります。
本来であればCmに進行すべき所を、3度の音を半音あげCメジャーとする事で転調のきっかけにしている訳ですね。
自分の認識としてはKye=Cmの中でKye=CからCメジャーコードを借用してきていると考えているので、メジャーキーの曲でよく使われるのですが、モーダルインターチェンジをマイナーキーで使っていると考えています。
理論的に正しいかはちょっと不明なので詳しい方いたらご教授頂けたら嬉しいです。
いずれにしても極力、元のKeyから外れる音を少なくする事であたかも普通にサビが進行しているように聞かせつつ実は1音上に転調していたというパターンを作ってます。
メリットとしては聴感上あまり違和感がなくても実際には1音上がっているのでボーカルの声の艶っぽさが増したり、サビ後半がきらびやかでよりインパクトの強い物になるという所ですね。
別のキーでそのまま使ってみたいという方向けに、ローマ数字表記もあげておきますね。
転調部分もそうなんですけど、2小節目のaug(オーギュメント)ってコードも頻繁に使われるようなコードではないのでわかりにくいかもしれないですが、ここはオーソドックスに『Ⅴ(Gm)』で代用してもいいと思います。
と、偉そうに解説してきたのですが、このサビ途中での1音上げ進行、自分で編み出した技ではなく使われている曲があります。
その他の例
ETERNAL BLAZE/水樹奈々
Elements Gardenの代表、上松範康さん作曲のこの名曲『ETERNAL BLAZE』です。転調のきっかけになる進行は違うのですがサビ途中で1音上げがされてます。
サビ中にこういう転調の仕方もありなんだなと気付かされるきっかけとなった曲なのでちょっと紹介させて頂きます。
サビのコード進行はこんな感じ。
この曲もGマイナーキーですが、Gメジャーコードからコードを持ってきてたり一時転調があったり細かく説明すると長くなるのでそのへんは端折りますが、7小節目でA♭へ一時転調してからのD→Eとなり、転調後のⅣ→Ⅴとなっているので、次のAm(Ⅰm)に向けてなめらかに転調しています。
ローマ数字表記だとこんな感じ。
まとめ
現在のJ-POPやアニソンではかなり凝ったコード進行や転調が頻繁に使われるようになってます。
3コード、4コードのシンプルな楽曲もストレートでカッコいいのですが、大胆に転調させたり、時には今回のようにさり気なく転調させたり、一つのキーやスケールにとらわれない作曲法を取り入れてみると自由度が増し世界が広がりますよ。
この手の進行を使うのはアーティストと言うよりは作曲家と言われるような方のほうが多いのですが、バンドの楽曲などに取り入れるのもいいんじゃないかと思います。
こんな感じであまり教則本などに載っていないようなコード進行をたまに紹介していけたらなと思ってますので、またそのうち記事にしてみます。